2014年01月31日

mk2SRと66SRの回路図について

  mk2SR と 66SR の回路図レベルでの、他の機種との差異についてです。


○mk2 → mk2SR

・CPUクロックが、14.31818MHz である。

 これは、『サイクルスティール方式』を行うため、画面表示を行うクロックと同じにしているためです。
 『サイクルスティール方式』とは、画面表示をするためにVRAMからデータを読み出す時にだけ、CPUにウエイトを掛けるものです。従来の「画面表示の期間は、バスリクエストを出して常にCPUを止める」よりもCPUが止まらないために、動作が速くなります。


・PSG(AY-3-8910)が、FM音源(YM-2203)になっている。

 PSG部分はコンパチのようです。また、mk2までのPSGの動きをそのまま使えるようにするため、4MHzのクロック(セラミック発振子)をCPUクロックとは別に用意されています。


・カスタムLSI(メモリコントローラ、I/Oコントローラ、CRTコントローラ1,2)が、mk2から変更されている。

 これは、まあ、機能とクロックが変わったからですね。


・アドレスバスの上位3ビットにセレクタが入っている。

 SR の機能として、8Kバイトを単位として、自由に組み替えができます。その機能のためのようです。


・CRTコントローラからの映像出力が、メモリコントローラに入ってから、外部に出力されている。

 パレット機能の実現のようです。しかし、なぜ16色中4色だけしかパレットが使えない仕様なのだろう...


・DRAMへの書き込みが、4ビット単位で出来るようになっている。

 VRAMのアクセスで、1ドット(4ビット)単位でアクセスするため、このようになっているようです。



  他にも細かい違いはありますが、大きくは変わっていません。



○mk2SR → 66SR

・フロッピー基板が追加された。

 搭載されているカスタムLSIも、周辺回路も、ほとんどPC-6601の回路と同じです(WGATEにリセットが入った程度の変更)。
 また、FDDコントローラのために、16MHzの水晶発振子が設けられています。


・SUB-CPU周りが変更されている。

 接続方法と機能が変更されています。

 他の機種:CPU = 8255 = SUB-CPU
 66SR:CPU = 8255 = SUB-CPU(1) = SUB-CPU(2) = (キーボード内の)SUB-CPU(3)

 他の機種では、SUB-CPU は、キーボード、CMT、RS-232C の処理を行っているが、66SRでは以下の通りになっている。

 SUB-CPU(1):CMT、RS-232C、SUB-CPU(2)
 SUB-CPU(2):カレンダーLSI、テレビコントロール、SUB-CPU(3)
 SUB-CPU(3):キーボード

 と分担している。


・電源系の変更。

 STAND-BYモードの時に、通常の5Vは停止するが、STAND-BY用の電源のみが出力されるようになっている。
 また、バッテリーを持っていて、サブ基板上のカレンダーLSIに供給している。

 キーボード上のSUB-CPU(3)は、バッテリー駆動が可能になっている、本体とワイヤ接続されている時は、本体から電源を取っている。


・テレビコントロールの追加

 66SRのキーボードやプログラムから、テレビのチャンネルの変更が可能になっている。
 mk2SRには、テレビコントロールの回路自体がありません。



  カスタムLSIや各種ROMは、mk2SRと66SRでは全く同じものが使われています。

  ちなみに、mk2SRと66SRを判別するレジスタがありますが、これは、I/Oコントローラの56ピンの状態を出力しているようです。


posted by えすび at 14:36| Comment(6) | P6解析:回路全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
SR回路図 待ってました!いつもながらお見事です。

かなりいろいろ変更されていてNECの本気度が感じられます。
SUB CPUが追加されているとは全く予想外!
メモリサイズの問題かとも思いましたが,ポートのピンが足りなくて増やした感じでしょうか?

Posted by ゆみたろ at 2014年01月31日 21:12
66SR で SUB-CPUが増えているのは、上記に書いた通りの機能分担です。
1つで処理できないという意味ではなく、電源が落ちるからです。

66SR が STAND-BYモードの時は、電源が供給されているのは、サブ基板のみのため、SUB-CPU(2)だけが動作しています(SUB-CPU(1)は動作していません)。

その状態で、キーボードが押されると、SUB-CPU(2)がメイン電源を入れて、本体が立ち上がる、という動作をします。



Posted by えすび at 2014年02月01日 08:19
> ・CPUクロックが、14.31818MHz である。
>  これは、『サイクルスティール方式』を行うため、画面表示を行うクロックと同じにしているためです。
>  『サイクルスティール方式』とは、画面表示をするためにVRAMからデータを読み出す時にだけ、CPUにウエイトを掛けるものです。従来の「画面表示の期間は、バスリクエストを出して常にCPUを止める」よりもCPUが止まらないために、動作が速くなります。

CPUの動作クロックは3.58Mに下がりますが、サイクルスチールになった分で補える、という
ワケですね。
上位機のようにVRAMをデュアルポートにすれば、その必要もなくなりもっと速くなりますが。

ところで、OPNやボイスからの割り込みを受けるようになったんでしたっけ?
Posted by かかっくん at 2014年02月02日 17:13
>>ところで、OPNやボイスからの割り込みを受けるようになったんでしたっけ?

 OPN からの割り込みは接続されていません。

 音声合成(uPD7752)からの割り込み(REQ信号)は接続されています。



Posted by えすび at 2014年02月02日 18:16
> ・CPUクロックが、14.31818MHz である。
これ、MODE1〜5のときの従来機との速度合わせとかどうやってるんでしょうか?
Posted by こんにちは at 2014年02月22日 10:36
> ・CPUクロックが、14.31818MHz である。
これ、MODE1〜5のときの従来機との速度合わせとかどうやってるんでしょうか?

 書こうと思ってほったらかしてました(^^;


CPUクロックが、14.31818MHz ではなくて、その4分周の 3.579545MHz がCPUクロックです。
 このクロックは、mk2/66 の4MHz よりも遅いのですが、mk2/66 では、描画期間はCPUが停止しているため、実質のCPUクロックは、2MHz程度になります。

 mk2/66:2MHz以下
 mk2SR/66SR:3.579545MHz

 SRでは、適当にCPUを止める事によって、mk2/66と同じCPU速度になるようにしています。


 ちなみにバスリクエストOFF、CRTKILLにすると、mk2/66の方が速く動きます(^^;
Posted by えすび at 2014年02月22日 21:28
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