動画再生カートリッジ用のデータの作成方法です。
一連の流れは以下の通りです。
1)再生したい動画を、パソコン上で再生する。
2)1)を『カハマルカの瞳』でキャプチャする(画像、音声とも)。
3)2)のデータの内、画像データを『カハマルカの瞳』で bmp に落とす。
4)3)の bmp を『 ViX 』で変換(トリミング、リサイズ、色の調整、減色)する。
5)4)の画像データを『bmp2bin/bmp2bin_43』で、P6 で直接読めるようなバイナリデータに変換する。
6)5)の画像データを、コマ数分連結する。画像データはこれで作成完了。
7)2)のデータの内、音声データを適当な音量に変換する。
8)7)のデータを『wav2bin』で、動画再生カートリッジで使う形式に変換する。
9)6)と8)のデータから、動画再生用のデータを作成する。
順に説明します。
1)再生したい動画を、パソコン上で再生する。
DVDプレーヤーなどで、適当にパソコン上に動画を再生して下さい。
2)1)を『カハマルカの瞳』でキャプチャする(画像、音声とも)。
『カハマルカの瞳』は以下のHPにあります。
http://www.paw.hi-ho.ne.jp/milbesos/index.html(注:ダウンロードの場所が見つけくいです。間違って他のソフトウエアをダウンロードしそうになります...)
一通り使い方を読んでおいた方がいいでしょう。
設定は以下のようにします。
・起動時のメイン画面
Target Player(アプリ):起動しているDVDプレーヤーなどを設定すると便利。
Recording Setting:
フレームレート:15コマ/秒
画像データにより 30コマ/秒の方がいい場合があります。
15コマ/秒が不可の場合は、12コマ/秒、10コマ/秒などを指定します。
サイズ変更:等倍
ビット変更:16 bit
時間:(適当に)
この状態で、右の TEST のボタンを押すと、設定しているフレームレートで録画が出来るかを判断してくれます。
コマ数がダメな場合は、コマ数を減らして再度 TEST して下さい。
・上メニューバーより
環境設定−基本設定
共通タブ:録画用WAVEファイルにチェック。無音AVIファイルは不要のためチェックを外す。
AVIタブ:MUX(ビデオとオーディオの同期):録音もする、同期(MUX)する、にチェック。
WAVEタブ:録画後変換:しない
他は適当に。
環境設定−オーディオ設定
チャンネル:Mono
ビット数[bit]:8
レート[Hz]:48000
この状態で「REC」を押すと、録画してみて下さい。
AVI ファイルと、WAV ファイル が生成されます。
生成されたファイルを分かり易くて、短いファイル名に変更します。
○コツ
音声は大きな方がいいようです。
取り込む画面サイズは小さい方が、ファイルサイズが小さくなったり、フレームレートが多く出来るなどのメリットがあります。
(後で 160×150のサイズにするので、あまり大きくても意味がない)
パソコンの状態によりますが、音声のフィードバック系がない場合は、外部でラインアウトーラインインを接続するなどの処理が必要になります。
画像は取りたいデータの3秒前ぐらいから REC して、終わって1、2秒ぐらい後にに REC を終わらせるといいです。
(後でいらない部分を削除します)
AVI ファイルは、出来れば分割されていない方がベターです。
3)2)のデータの内、画像データを『カハマルカの瞳』で bmp に落とす。
『カハマルカの瞳』の上メニューバーより、オプション−静止画抽出 を選びます。
出てきたパネルで、以下を指定します。
黒い四角の下のフォルダの絵をクリックし、2)で作成したAVI ファイルを指定。
保存開始フレーム、保存終了フレームはそのまま。
15フレームで録画した時は保存間隔を0にします。30フレームで録画した時は、保存間隔を1にします(1つおきにデータが抽出される)。
連番記述を1000からにします。
出力をBMP形式にします。
この設定で出力を押すと、AVIのファイル名のフォルダが作成され、その中に1/15秒ごとのフレームがBMPで出力されます。
12フレーム、10フレームなどで録画した場合は、そのレートでのデータが出力されます。
4)3)の bmp を『 ViX 』で変換(トリミング、リサイズ、色の調整、減色)する。
『 ViX 』は以下にあります。
http://www.vector.co.jp/soft/win95/art/se083112.html脆弱性に問題があり、公開が中止されているようです。
探せばあると思いますが、使用する際は注意して下さい。
本来は画像ビューワなんですが、ファイルの一括変換なども出来る優れものです。
まず、3)で作成した bmp がちゃんと出来ているかを確認します。
作成されたフォルダを選ぶと、画像一覧が出来ているはずです。
上メニューバーの、表示−並び順−で、名前と昇順、を選択します。
すると、作成した画像が名前順(動画の順)に並ぶはずです。
前の方と後ろの方で、不要な部分は削除しておきます。
次に、画像変換の準備を行います。
・変換先のフォルダをあらかじめ作っておきます。
・3)で作成された bmp で、必要な部分の座標を調べておきます。
トリミング(画像の必要な部分を切り出す処理)をする際に座標情報が必要になります。
Windows 付属のペイントで、作成された bmp を表示させて、マウスを動かすと、下のステータスバーの右側に座標が表示されますので、画像で必要な部分の左上と右下の座標をメモしておきます。
・変換用の16色パレット用の画像をダウンロードしておき、適当な所に格納します。
↓16色パレット用画像
color16.bmp 次に画像変換(トリミング、リサイズ、色の調整、減色)を行います。
3)で作成した bmp が格納されているフォルダを選択した状態で、上メニューバーの、画像−総合変換 を選びます。
すると総合変換用のパネルが出ますので、以下のように設定します。
出力タブ:
変換対象フォルダは、変換したいものが選ばれている事を確認。
出力先は、先に作成した変換先のフォルダを選択します。
フォーマット:
種類は BMP を選択します。
リサイズ:
リサイズを行う、をチェックします。
大きさは、サイズ指定を指定し、横幅160、縦幅150 を指定します(16:9の画像の場合)。
4:3 の画像の場合は、横幅
160120、縦幅
120150 を指定します。
方法は、3次補間を選択します。
シャープネスにチェックします。
トリミング等:
トリミングを行う、をチェックします。
切り出す画像サイズは、先に調べた左上と右下のから算出して入力します(右下−左上の結果を入力します)。
切り出し位置(左上)は、先に調べた左上の座標を入力します。
他の項目はチェックしません。
減色:
減色を行う、をチェックします。16色を選びます。
誤差拡散の方法は、タイプAを選択します。
パレット選定の方法は、他の画像からパレットを抽出、を選択します。
パレット用の画像ファイルは、先にダウンロードした16色パレット用画像を選択します。
明るさ・カラー:
明るさ・カラーの変更をチェックします。
明るさとコントラストを適当な数値を入力します(後述)
オプション:
元の名前を使う、を選択しておきます。
また、変換条件の保存をしておいた方がいいでしょう。
ここまで設定が終わったら、OK を押すと一括変換を始めます。
変換が完了したら、変換先のフォルダを見て、ちゃんと見える画像かを確認して下さい。
(この画像が直接P6に表示されます)
最初はファイルを1つだけ選択した状態で、一括変換をして確認した方がいいかも知れません。
○コツ
明るさとコントラストの設定によって、16色に出力した後の画像がかなり変わってきます。
この値のどうするかで、最終の出来が変わってきますので、いろいろと調整してみて下さい。
コントラストはかなり大きめ(80〜)、明るさは、元の動画が明るい場合は-8〜、暗い動画では8〜、などとした方がよさそうです。
大抵、元の動画の途中で変更しなくてもいいんですが、明るい、暗いが両方あるものは、別々に変換した方がいいかも知れません。
5)4)の画像データを『bmp2bin/bmp2bin_43』で、P6 で直接読めるようなバイナリデータに変換する。
自製ツールの『bmp2bin/bmp2bin_43』で、〜.bmp を 〜.bin に変換します。
↓bmp2bin/bmp2bin_43
bmp2bin.zip bmp2bin/bmp2bin_43 は、コマンドラインのツールです。bmp2bin は、16:9 用、bmp2bin_43 は 4:3 用です。
コマンドラインで、 bmp2bin ファイル名 とします。ファイル名は、bmp は外して下さい。
例えば、ichigo_1000.bmp を変換する場合は、 bmp2bin ichigo_1000 とすると、ichigo_1000.bin が作成されます。
このファイルは、mode=5、screen=3 の画像データそのものです(0x0000〜0x3FFFのデータ)。
bmp2bin で作成したファイルの確認は、以下のように行います。
・PC-6001VW を PC-6001mk2 で起動する。
・MODE=5、PAGE=3 を選択する。
・SCREEN 3,3,3 を入力する。
・bmp2bin で作成した、〜.bin を、PC-6001VW にドラッグする。
すると「ファイル形式を選択してください」となるので、[Yes}=Binary を選択し、アドレスを 0x0000 として、OK を押す。
・PAGE キー(Page Up)を2回押すと、ページ3に画像が表示されている。
6)5)の画像データを、コマ数分連結する。画像データはこれで作成完了。
5)のやり方で、動画のコマ数分、〜.bin を作成します。
その後、その〜.bin をコマ数分連結します。
面倒なので、バッチファイルなどを作成した方がいいかと思います。
最終的に1つにしたファイルのみを使用します。
最終的なファイルの名前は、8+3文字以内にして下さい。
7)2)のデータの内、音声データを適当な音量に変換する。
いろいろとソフトウエアがありますが、私は『 SoundEngine Free 』を使っています。
http://soundengine.jp/(注:ダウンロードの場所が見つけくいです。間違って他のソフトウエアをダウンロードしそうになります...)
『 SoundEngine Free 』を使った場合の説明をします。
・まず『 SoundEngine Free 』を立ち上げます。
・次に、2)で作成された音声データをドラッグします。
・すると画面に波形が表示されます。また、上部真ん中辺りに、周波数、ビット、チャンネルが表示されていますが、それぞれ 周波数=48000、ビット=8、チャンネル=1、になっている事を確認します。
(違う場合は、『カハマルカの瞳』の設定が間違っていますので、チェックしてください)
・上部の虫眼鏡マークの「縮小」を押して、波形全体が表示されるようにします。
・波形のピークが、大体 -1〜0dB ぐらいになるように、音量を調整します。
上メニューバーの、音量−ボリューム(音量調整)を選択肢、音量の数値を0.0dB から適当に変更します(例えば5dBなど)。
調整して、ピークが -1〜0dB ぐらいになっていない場合は、「元に戻す」で元に戻して、再度音量の数値を変更していきます。
・音量の調整が終了したら、別名でセーブしておきます。
8)7)のデータを『wav2bin』で、動画再生カートリッジで使う形式に変換する。
自製ツールの『wav2bin』で、〜.wav を 〜.bin に変換します。
↓wav2bin
wav2bin.zip wav2bin は、コマンドラインのツールです。
コマンドラインで、 wav2bin ファイル名 オフセット とします。ファイル名は、wav は外して下さい。
例えば、ichigo_p.bmp を変換する場合は、 wav2bin ichigo_p 1000 とすると、ichigo_p.bin が作成されます。
オフセットは、wavファイルの先頭から何バイト空読みするかを指定する数値です。
画像データに合わせた音声データなので、先頭に余計な音声データが入っているので、それを削除するために指定します。
オフセットの数値は、以下の通りにして算出します。
・フレームレートが15フレームの場合:1フレーム当たり:3200
・フレームレートが12フレームの場合:1フレーム当たり:4000
・フレームレートが10フレームの場合:1フレーム当たり:4800
フレームレートが30で、2フレームおきに抽出した場合は、フレームレートが15フレームと同じになります。
画像データは、1000から順番に連番で抽出しています。
例えば、1000〜1033 までを削除した場合、つまり1034が一番最初のフレームの場合は、
(34 + 0.5)×3200 = 110400 を指定します(フレームレートが15の場合)。
変換したファイルの名前は、8+3文字以内にして下さい。
9)6)と8)のデータから、動画再生用のデータを作成する。
制御用のファイルを作成します。制御用ファイルの拡張子は、〜.p6m にして下さい。
実際の〜.p6m はこんな感じです(テキストファイルです)。
ichigo15.bin
4
ichigo_p.bin
2
いちごましまろ OP
それぞれの行は、改行で区切られます。
1行目:画像データのファイル名
2行目:フレームレート。1/60秒の何倍かを示します。フレームレートが15の場合は4、フレームレートが12の場合は5になります。
3行目:音声データのファイル名
4行目:音声サンプリングレート。1か2を入れます。通常は2を指定して下さい。1の場合はサンプリングレートが 15KHz で再生しますが、PSG の1chしか使わないので音質が悪いです。
5行目:タイトル表示をした時の文字列。SJIS で入力した場合、平仮名、片仮名などは変換します。漢字は変換しません。
動画再生カートリッジを起動した時に、ファイル一覧が表示されますが、複数のp6m ファイルがある場合は、p6m のファイル名でソーティングして表示します。